新薬の承認を得るために行われる試験を、治験といいます。開発した新薬を世の中に流通させるためには、効果や安全性を入念にチェックする必要があります。そこで必要になってくるのが、被験者に対する臨床試験です。
そんな治験業界では、看護師免許を持った人がたくさん働いています。看護師の資格を活かせる職種は、主に2つあります。
1つ目は、治験コーディネーターです。基本的には治験を行っている医療機関に勤務し、被験者に対して治験内容を丁寧に説明したり、治験データを管理したり、治験に関わる書類を作成したりします。治験コーディネーターとして働くためには、医療機関か民間の治験関連企業(SMO)のどちらかに就くことになります。
2つ目は臨床開発モニターです。治験が適切な手順通りに行われているかをモニタリングし、医療機関と製薬会社の間に入り、双方の架け橋になります。基本的には、製薬会社で勤務することになります。治験コーディネーターが作成した症例報告書のチェック、書類作成などの他、治験を行っている医療機関に赴いて監査を行うこともあります。
看護師が治験コーディネーターとして従事する際、年収は約420万円程度だと言われています。一方、未経験の看護師が臨床開発モニターになった場合、年収約420～510万円程度が相場だと言われています。いずれの職種も経験を積むことで、どんどん昇給していきます。看護師として、新たな業界への転職を考えている人は一度検討してみてもいいかもしれません。